古本屋にいた。
というと正確ではない。体育館のようなだだっ広い会場で古本市が開かれていて,たくさんの古本屋が店を出していた。
その中をうろうろと回っていると,お目当ての本が見つかった。そんなに古くはないのだけど,22巻組かつ予約配本制の本なのでふつうの本屋ではなかなか入手できない。
店主に聞くと,さすがに全巻は揃っていないとのこと。けれども,近いうちに揃う予定なので,揃ったら連絡をしてあげる,と話が進んでいく。
それじゃあ,この紙に連絡先を書いてください,というところから突如悪夢が始まる。
ペンを手に持つけれど,どうやっても手が動かない。
いや,違う。動くけど,文字が書けない。
いや,違う。文字は書けるんだけど,思っている内容が書けない。
誤解しないでほしい。住所をど忘れしたとか,そういうわけではないんだ。
頭の中ではちゃんと書くべき内容が浮かんでいるのに,手は別の文字を書く。
そして,腹の立つことに,消しゴムで消す作業だけはちゃんとできるのだ。
だんだん店主がイライラしてくる。気が付くともう1時間以上過ぎている!
自分ももちろんイライラする。けれどもいっこうに書けず,消しゴムの消しクズだけが増えていく。
ついに主催者(と思しき人物)がやってきて,店主に向かって「○○さん,もう10時を過ぎてます!撤収の時間ですよ!早くしないと,会場の超過料金取られますよ!」
店主も「いや,撤収したいんですけどね,コイツが……」
その横で,まだ書いては消し,書いては消ししている自分。
そこでハッと目が覚める。眠った気がしない。
バスに乗っていた。
いや,正確に言おう。バスの中でけん玉をしていた。
まっくいんは……いや,幼少のみぎりのまっくいん嬢はけん玉がうまかったらしいが,私はヘタだ。
ま,うまくても混雑したバスでけん玉をやるというのは恥ずべき行為だけど,私は混雑したバスの進行方向左側の窓際の椅子に座って,けん玉をしていた。
下手なけん玉を揺れるバスのなかでやっているとどうなるか。それは,誰が考えてもわかる。事実,その通りになった。
のである。それでも一心不乱にけん玉を続ける者1名。迷惑そうにこっちを見る人々多数。何度もガラスが「ガシャーン」という音がする。
ふと気付くと,状況が違う。私はバスに乗っていた。
混雑したバスの進行方向左側の窓際の椅子に座っていた。
……何も違わないじゃないかって?
私はけん玉などしていない。膝の上のノートパソコンを一心不乱に操作しているのである。私の愛機である。
が,しかーし。私は
かたかた,がしゃーん,かたかた,がしゃーん。
その繰り返しに私は大笑いしていて,やっぱり周囲の顰蹙をかっているのである。
その瞬間,自分の笑い声で目が覚めた。
記念すべき初めての投稿をいただきました。米穀通帳さんの悪夢を覗いてみましょう。
本当に「いつまでも おわらない あくむ」にピッタリのご投稿ありがとうございます。私はずぅ〜〜〜えったいにこんな夢は見たくないです。
あ,自分の笑い声で目が覚めるような夢も見たくないですけど。
という夢を見た。もう,何が何だかわからない。
イヤな夢だなぁ,と思って
今度は夢じゃなかった。
非常にリアルな悪夢ですね。『あぁ、君。すぐに救急車と警察を!』というセリフはあまりにリアル過ぎるように感じますが,実はよしともさんは某救急病院勤務で,救急車からの受け入れ要請の電話を取る立場にあるから,かな?