つれづれなるままに…(2010/09)
9月28日(火)−「初」海外旅行1・プロローグ
今年の4月に現在の会社に入社して丸10年となりました。で、うちの会社の制度の中に「勤続年数5年単位で長期休暇を付与する」ってのがあり、今回の場合2週間の休暇をもらえることになりました。
出張で多少海外慣れしたこともあり「くそ忙しい仕事から海外逃亡するか」と考えて決めた場所が
- 一度クラシックコンサート鑑賞をしてみたかったウィーン
- 一度凱旋門賞も見ておかんとな、なパリ
ちなみに旦那は長期休暇とれないので留守番。というわけで、初めての海外旅行をすることになりました。それも一人旅。これまで日記にて海外レポートは何回か書いてますがすべて出張メインだったからねぇ。
といっても、初日は関空→パリ→ウィーンの移動のみで終了しました。ウィーンついたのは 22:30。あまりに遅い到着なのでホテルに pick-up サービスをお願いしたのですが、運ちゃん途中で道に迷ってホテルに電話してやがった…。予想はしていましたが、EUは今の大阪より気温が10度低く、夜は底冷えもするなかなか素敵な環境。
この日感動したことは、エールフランスの充実した機内食でしょうか。無料で赤ワイン/白ワイン/シャンパンが飲めますし、チーズがデフォルトでついてるし、見た目も美しいし。帰りは寝るだけだからシャンパン飲むぜぃ、と決意。
離陸2時間後のご飯 | 着陸2時間前のご飯 |
ちなみに行きのエールフランスはJALとのコードシェア便だったのですが、JALはカップ麺でのみ存在感を示しておりました。
9月29日(水)−「初」海外旅行2・Vienna の理想と現実
ウィーン観光はシェーンブルン宮殿から始めることにしました。朝の地下鉄車内では黒人の陽気なおっちゃんに話しかけられたのですが「君はアフリカ人に見えるね。シェーンブルンの動物園にはお仲間(象とか)がいっぱいいるよ」ってすげーひどいこと言われたよ…
まずはグランド・ツアーに参加。といってもガイドさんがついてるわけでなく、音声ガイドの機械を持って決められたコースを回るもの。宮殿内に当時のまま残された調度品や内装からはハプスブルグ家のすごさと王家ゆえの切なさ、みたいなものを感じました。この感想が若干日本語の音声解説に影響されているのは否定しません(苦笑)。そんな風に感じたからこそ、途中で遭遇した日本人団体ツアーのガイドさんが、漆塗りの板が壁一面に埋めこまれた部屋を「仏壇みたいな部屋でしょ」って言ってたのはどうかと思ったわ。
宮殿の外に出て庭園へ。高台に登ってみたところ、宮殿とウィーンの街並みが一望できすごく感動しました。
宮殿から Glorieta と庭園を眺める | 庭園の高台から宮殿とウィーン市内を眺める |
写真撮影するとスケールの大きさが全くわからなくなり非常に残念に思いました。だからこそ、しっかり目に焼きつけたるねん、ってしばらく眺めてました。これだけでもウィーンに来てよかったな、と。
続いてドナウタワーへ。当初の予定から約15分遅れで最寄りの Neue Donau 駅に着いたら、次のバスが1時間後なのが判明(爆)。タワーは見えていたので、何人かに道を尋ねて住宅街を歩くこと約20分で到着。
エレベーターで展望エリアまであがって景色を見たら、ガラスがめっちゃ汚くて景色がうす曇り。以前ベルリンタワーも同じ状況でがっかりしたけど、展望を売りにしていてこれはあかんやろ。ただ、本来の目的は昼御飯だったりするので、気をとり直して併設の展望カフェへ。そしたら、窓ガラスはものすごくきれいだし、座席の部分が回転してドナウタワーからの景色が360度楽しめるようになってるし…展望台ではなくカフェかレストランにいらっしゃーい、ってことやねぇ。
ドナウタワー北西側 | ドナウタワー南東側 |
座席に座ろうとしたら日本人女性の方(以降Mさんと記載します)に声をかけられ、一緒に食事をすることに。Mさんは胃腸があまり強くないってことでデザートだけ注文されてましたが、私の方はがっつりビーフステーキ(爆)。だってウィーン料理のひとつである Zwiebelrostbraten を食べたかってんもん。
カリカリに揚げたたまねぎの甘みでお肉を頂くんですが、おいしかったです。ポテトは多すぎるのでさすがに残しましたが。Mさんも一人旅で、次の目的地が私と同じシュテファン大聖堂ということで、しばらく一緒に観光することにしました。
シュテファン大聖堂は一部修復工事中。シェーンブルン宮殿の工事エリアもそうでしたが、工事部分を覆っている布に実際の建物と同じ絵を描くなんてちょっと粋かもしんない。聖堂内はすごく荘厳な雰囲気でまた「すごい!」と声をあげてしまいました。
外壁は一部補修中 | 中は厳かな雰囲気です |
大聖堂の前には観光馬車が20台近くいましたが、そんなに需要あるんやろか?中にはこんな素敵な服を着たお馬さんも。
観光シーズンは需要あるんでしょうね | 完全防水…か? |
その後モーツァルトハウスへ。ここはモーツァルトが「フィガロの結婚」を作曲したときに住んでいた家ということで、手紙や自筆楽譜などが展示されています。といっても、「なるほどねぇ」以上の感想はなし。ここでMさんとはお別れ。
ところで、シュテファン大聖堂の前で、モーツァルトっぽい格好をしたおにーさんに「今夜クラシックコンサートに来ませんか?」と声をかけられました。にーさんが見せてくれたパンフレットは、
私が今夜聴きにいく
ウィーンモーツァルトオーケストラのコンサート(爆)
「…え、日本でチケット事前購入したのに、実は客引きせなあかんぐらい客いないの?」「フォーマルな格好じゃないとダメって思ったからワンピース持ってきたのに意味なし?」と脳内大混乱。とにかく「ごめん、今夜のチケットはもう持ってるねん」って断ったものの、クラシックコンサートに憧れてウィーンに来たのに、まさか聴く前に幻滅するなんて予想外の展開だorz
ただ、この後もオペラ座の前や公園など、至る所で様々なコンサートの客引きを見かけました。とある場所では「日本人の一人旅?それなら、特別に VIP 席を 56 ユーロから 36 ユーロにディスカウントするよ。」とかかなり強引な勧誘も…逃げたけど。
一度ホテルに戻り、ワンピースに着替えて 17:00 から予約していた PLACHUTTA へ。ガイドブックにも載っている、ウィーン料理の一つである Tafelspitz の有名店です。
Tafelspitz は牛肉をじっくり煮込んだものということであっさり系を期待していたのですが結構脂っぽい。でも、リンゴとホースラディッシュのソースと一緒だとさっぱりしておいしかったです。これだけでお腹いっぱいだったのですが、勧められて断れずデザートに Poppie Seed Bake (けしの実の蒸しケーキ)も食べてしまった…
鍋ごと出されます | 最後肉を取り出して食べます |
店員さんお勧めの Poppie Seed Bake | 外観。他に3つ支店あり。 |
オランダ出張時の食事に3時間以上要した経験から、食事の時間は2時間みていたのですが、さすがに単品+デザートだと1時間弱で終了。食後の運動と時間潰しを兼ねてケルントナー通りを歩きながら土産物屋を覗いたりしましたが心を打つものがなく、何をウィーン土産とするか余計に困るという結果に…。おまけに雨は降り出すわ、結局開場前にホールに着くわで悲惨な散歩となりました。
本日のコンサート会場は楽友協会の黄金のホール(Golden Saal)。ここはウィーンフィルの本拠地として有名ですが、定期公演がないときは、モーツァルトオーケストラの演奏に使われていることが多いそうです。お客さんの割合は地元の人が3割、観光客7割といった感じでしょうか。フォーマルな格好の人はやっぱり稀でした(泣)。いいんだ本人は雰囲気を楽しみにきたんだから。
プログラムはウィーンを代表する作曲家であるモーツァルトとヨハン・シュトラウスの有名な曲を演奏していく形式です(この日のプログラム)。普通のコンサートでは交響曲は全楽章演奏されますし、オペラも最初から最後まで通しで上演されるので、ダイジェスト的に生演奏を聴ける環境があるのはいいことだと思います。ちなみに、その他大なり小なりウィーン市内で開催されているコンサートのプログラムは軒並み同じ形式なので、モーツァルトもヨハン・シュトラウスも嫌いな人にはつらいかも。
このモーツァルトオーケストラの売りは、昔ながらの服装(いわゆるモーツァルトの肖像画で見る格好)で演奏して、モーツァルトの時代のコンサートの雰囲気を感じてもらうこと。全体的には緩やかな曲まで走り気味だったのが気にはなりましたが、「魔笛」や「フィガロの結婚」のアリアを生で聴くことができたのはすごくよかったです(通常はオペラを通しで見ないと聴けないし)。あと、ティンパニのおじさんのパフォーマンスがすばらしかった。ばちがティンパニ用のマレットとスネアドラム用のスティックが合体したものになってたみたいで、ティンパニ叩いてるなぁと思ったら次の瞬間180度ばちを回転させてスネア叩いてたり、右手でスネア、左手でティンパニ叩いたり結構器用なことしてはりました。
とにかく、「ウィーンでクラシックコンサートを聴いてみたい」という願望は叶ったのでよしとします。
9月30日(木)−「初」海外旅行3・Vienna walking
「公園多いし適当にぶらぶらするか」と何となく Volkstheater 駅へ。しばらく歩いていくとハプスブルグ家の王宮に到着。これまた広大な建物で遠巻きに眺めながらしばらくぼーっとしてました。
道なりに国立オペラ座の方に歩いていくとカフェ・ザッハーがあり、空いていたので中へ。ウィーンといえばザッハトルテですもの。
メニューもテーブルもおしゃれでした | 本家ザッハトルテ |
アプリコットジャムの酸味がいいアクセントになっていてすごくおいしかった。甘くない生クリームと食べるのも雰囲気が変わっていい感じです。気に入ったので土産として購入することを即決。ただし、購入は荷物が増えるので後回し。
そのまま、ブルグ公園に行ってモーツァルト像とご対面。公園内は犬の散歩をしてる人、ベンチでたたずんでる人などがいてほんわかした空気だったので、私もベンチに座って王宮を違う角度から眺めながらまたぼーっとしてました。あーぁ、サンドイッチ持ってくりゃよかった。ちなみにウィーンの公園では何度かリスを見かけました。
像の前にはト音記号が | よく見かけるお顔ですね |
空腹に耐えきれず、ネットで見て雰囲気がよいと思った Kanzleramt へ。ちょっと寒かったのと、野菜も食べたかったので Rindsgulyas (パプリカ風味のスパイシーな牛肉シチュー)を頼んだら牛肉オンリーだった。でもこれはこれでうまかったなぁ。体もあたたまったし。
入りやすい雰囲気のお店でした | Rindsgulyas |
オペラ座前まで戻って今度はリングトラムに乗車。これはトラムでリング通りを一周しながら、ウィーンの歴史的建造物や有名な建造物を観光する、というもの。知らない建物をたくさん見られてすごくよかったです。
日本語ガイダンスにも対応してます | Parlament(国会議事堂) |
Rathaus(ウィーン市庁舎) | ちなみにこれは最終便(17:00) |
15時ごろから、国立オペラ座の日本語ツアーに参加。参加者は全員日本人でした。ガイドのお姉さんは冗談を言えるぐらい日本語が堪能で、いろいろな話をしてくれました。また、建物内の施設だけではなく、客席や舞台にまで入れてくれて、かなりお得なツアーだったと思います。機会があれば次は実際にオペラを見てみたいなぁ。もちろん舞台が見えないかもしれない立見席ではなく、ちゃんとした座席で。
オペラ座外観 | モーツァルトの顔の上には「魔笛」の壁画があります |
皇帝観覧時の控室。550ユーロで今でも利用可能。 | 後方の客席。茶色の四角い箱は皇帝観覧席だそうで。 |
「スペードの女王」の大道具です | 何と裏側にも潜入できました |
オペラ座ツアーには併設のオペラ座博物館への入場券もついていたので行ってみましたが、オールドイツ語の展示の中でわかったのは、数年前まで音楽監督を務めていた小澤征爾の写真だけでした(苦笑)。なお、受付でお願いすれば日本語の解説本は借りられます(出てきてから知ったんですけどね)
ホテルザッハーのショップでお土産を買い込み、シュテファン大聖堂近くの Julius Meinl am Grabenへ。英語がなかなか通じず苦労しましたが、何とかウィーンワインとお惣菜を買いこみ、ホテルにて晩御飯。
サーモンサンド(奥) パプリカの肉詰め(左)、野菜炒め(右) |
ワインの下にあるのはテレビです |
ワインは開けて初めてスパークリングワインだと気づいた(爆)。でもおいしかったです。あと、買ったお惣菜の中ではパプリカにロングライスとひき肉を詰めたものがすごくおいしかったですねぇ。こういう晩御飯もいいもんですわ。
食後にホテルフロントでメランジェを飲みました。カプチーノとの違いがわからん…。
10月のパリ編に続く。
mcquen@nnn.ac